ヨーロッパ人で最初にこの山を見たキャプテン・ジェームス・クック(Captain James Cook)が、「グラスハウスマウンテンズ」と名付けたそうです。アボリジニ(オーストラリア先住民)の伝説では、これらの山々には精霊が住んでいると伝えられています。今回は、その伝説の一つをご紹介します。
<意訳:ティブロガーガンの伝説(The legend tells of Tibrogargan)>
お父さんのティブロガーガン(Tibrogargan)、お母さんのビーワア(Beerwah)、長男のクーノウォリン(Coonowrin)の他、たくさん子供がいました。ある日、海の水かさが増えていることに気づいたお父さんは、急いで家族達を集めて安全な山へ避難させようとしました。その時、お母さんは身ごもっていたので、長男にお母さんを助けるように頼みました。しかし、長男は父親の言うことは聞かずに、一人で逃げ出していました。それを見つけたお父さんはとても怒り、ヌラヌラ(Nula Nula:死のブーメラン)を振り上げて、長男の首を曲げてしまいました。
やがて水が引き、家族が大草原に戻ったとき、他の子どもたちは長男の首が曲がっていることをからかいました。恥ずかしく思った長男は、お父さんのところへ行き、許しを請いました。しかしお父さんは、息子の卑怯さを恥ずかしく思い、ただただ泣くことしかできませんでした。やがてその涙は地面をつたい、小川となって、海へ流れていったのでした。弟や妹たちも、兄の卑怯さを恥ずかしく思って、涙を流しました。今日でもこの近辺にたくさんの小川があるのは、彼を恥じた悲しみによるものと言い伝えられているそうです。
それからお父さんは、長男を呼び、なぜ自分一人で逃げようとしたのかを問いただしました。すると長男は、お母さんは一番大きいので、自分の面倒は自分でみられるはずだと答えました。長男は、お母さんが再び妊娠し、そのために体が大きかったことを知らなかったのです。お父さんは、二度と長男のことを見るまいと誓いました。今日でも、お父さんの山、ティブロガーガン(Tibrogargan)は遠く海の方を見つめ、長男の山、クーノウォリン(Coonowrin)の方向を見ていません。長男は恥じ入ってうなだれ、彼の涙は海に流れ続けています。またお母さんの山、ビーワア(Beerwah)は今でも妊娠しており、長い間にわたって、山に生命を与えています。
以下の写真に山の位置関係を記載しています。
<参考:英文の原文はこちら>
http://www.sunshinecoast-australia.com/glass-house-mountains.html
Tadashi